昔のアニメなどでも、ブラックホールは光さえ抜け出せない存在として出てきてました。
そのすべてを吸い込んでしまったら出てくることが出来ないという存在は、子供の頃とても怖かったことを覚えています。
地球が吸い込まれてしまったら!と不安に思ったこともあります。
皆さんはどうですか?(笑)
恒星の最後の姿として、太陽の約25倍より重い星がブラックホールになるということを、”恒星の一生|星の誕生から死まで|恒星の最期”でご紹介しました。
今回はブラックホールについて解説していきたいと思います。
ブラックホール
宇宙には、一度中に入ってしまったら二度と外に出られなくなる天体があります。
これを「ブラックホール」といいます。
光さえも出られないあなのような天体なので黒い穴→ブラックホールという名前が付きました。
もともとは理論上の天体だったのですが、1970年代に見つかったはくちょう座X-1をはじめ、今ではいろいろなところにブラックホールがあると考えられています。
ブラックホールとは
ブラックホールは、重力がとても強い天体です。
そのためすごい重力で周りのものを引きつけます。
一度中に入ったら、物体はおろか、光さえも外に出ることはできません。
ブラックホールは、アインシュタインの相対性理論で説明されます。
宇宙の空間と時間を、クッションでにたとえてみましょう。
クッションの上にものがあるとそのものの重さでクッションがへこみます。
それと同じように、宇宙にも物体があると、空間と時間がゆがみます。
重力が強いものの周りは特にゆがみが大きいため、通り過ぎる光の方向が変わります。
もっと重力の強いブラックホールでは、空間が大きくゆがみ、周の光はねじ曲げられて中心へ落ちていくのです。
ブラックホールと相対性理論
ブラックホール発見の歴史
20世紀になって、相対性理論が示されると、ドイツのシュヴァルツシルトやアメリカのオッペンハイマーなどの研究から、宇宙にブラックホールがあるかもしれないと言われ始めました。
最初は、ブラックホールのような天体は存在しないと考えていた人も多く、相対性理論の生みの親である、アインシュタインですら信じていませんでした。
1970年代になるとX線天文衛星ウフルが、強いX線を出すはくちょう座X-1を発見し、ブラックホールが本当にあることがわかりました。
相対性理論とは
相対性理論は、1905年と1915年にアインシュタインが発表した時間と空間、そして重力の関係などをまとめた理論です。
水星の運動や核融合など、さまざまな現象が相対性理論の予測とぴったり合うため、正確な理論だと考えられています。
相対性理論によると、時間の進み方が変わったり、空間がゆがんだりします。
カーナビも相対性理論?!
カーナビゲーションシステムは人工衛星から電波信号を使って、車の位置を知らせる装置です。
これは衛星からの電波が届く時間を利用しているので、車の位置を正確に測るには、自国を精密に測る必要があります。
ところで、人工衛星は地表より重力が弱い所を高速で飛んでいて、きわめて精密に時間を測ると地表とは時間の進み方が違っています。
そのちがいを、相対性理論を使って計算しなおしています。
ブラックホールの種類
ブラックホールは、重さによって大きく3つのタイプに分けられます。
重さが軽い順に、恒星質量ブラックホール。
中間質量ブラックホール超大質量ブラックホールです。
それぞれの重さは、太陽と比較して、10倍。
数百~数万倍。そして100万~10億倍ぐらいです。
恒星質量ブラックホールは、重い星が一生の最後に残すものです。
一方、超大質量ブラックホールは、銀河の中心にある巨大ブラックホールですが、どのようにできたかは謎です。
中間質量ブラックホールどおしが銀河の中心にあつまり、合体してできたとも考えられています。
ブラックホールに落ちるとどうなるか
ブラックホールに吸い込まれるとどのようになるのでしょうか?
仮に人が吸い込まれたとした場合。
ブラックホールに落ちる人は、潮汐力で細長く引き伸ばされます。
また、外の景色はだんだん青くなり、視界は狭くなっていきます。
そして中心近くまで落ちてくると、体はばらばらになります。
一方、外から見ると、落ちる人はだんだん赤くなって、中心近くでとまってしまったかのように見えます。
このように、ブラックホールでは不思議な事が起こります。
これは強い重力で空間と時間がゆがんでいるからと考えられています。
さいごに
ブラックホールは目には見えませんが、ほぼ間違いなく存在しています。
非常に強いX線や光が観測される理由はガスがブラックホールにすいこまれるときに出る、膨大な重力エネルギーでしか説明できません。
また、このような天体の周りでは、星やガスが飛び出さないのは、中心に星よりずっと重力が強い天体がある為です。
これはブラックホールしか考えられません。